2月11日、明治神宮会館において、「天皇陛下御即位三十年 建国記念の日」奉祝記念行事が開催されました。2月11日は、建国記念の日。昭和23年の祝日法によるその趣旨は、「建国をしのび、国を愛する心を養う日」。戦前までは「紀元節」があり、明治政府が橿原に初代神武天皇が即位された祭日として定めた。敗戦後、GHQは神道指令によって、神道につながる祝祭日は認められないとして廃止。国民が熱望したものの、祝日法制定時にはかなわず、昭和41年にようやく「建国記念の日」として制定されました。
(石井苗子・日本維新の会参議院議員)
本行事は三部構成よりなり、第一部は奉祝中央式典。来賓として、萩生田光一(自民党幹事長代行)、石井苗子(日本維新の会参議院議員)、中山恭子(希望の党顧問)、クレメント・フィリップ・リカード・ アリコック(ジャマイカ特命全権大使)らが祝辞を述べた。そして「神武建国の理想が次代に正しく受け継がれるよう、政府主催による奉祝行事の挙行を強く求め、新たな御代を迎える日本の国づくりに向け一層邁進することを誓う」と結ばれた決議文を採択。また紀元節の歌(明治21年、詞:高崎正風、曲:井沢修二)を全体で斉唱した。
(中山恭子・希望の党顧問)
第二部は記念講演で、「御代替を契機に神話教育を見直そう―WGIP(ウォーギルトインフォメーションプログラム)からの脱却」と題して、麗澤大学特任教授の高橋史朗氏が講演。高橋氏は、GHQがいかに日本の神話や伝統を誤解したかに言及する前に、それだけでは済まない日本人自身の問題がより深刻だと強調。
(クレメント・フィリップ・リカード・ アリコック・ジャマイカ特命全権大使)
WGIPとは、戦争に関する贖罪意識、罪悪感を日本人の潜在意識に植え込む情報宣伝計画。高橋氏は占領文書にあるキーワード「日本人の本性に根ざす伝統的軍国主義」に着目。これはナチスのように、一時的に台頭したものでなく、日本のそれは、日本人の精神伝統に根付いているというレッテル張りを狙ったと解説。WGIPの陣頭指揮を執ったのは、GHQのブラッドフォード・スミス。
(高橋史朗氏)
彼は日本敗戦の3年前に、「日本精神」と「日本ー美と獣」の論文を著し、日本人は菊を愛でるという美しい感性を持ちながら、南京虐殺をする残虐性という二面性を持つと分析。伊邪那岐神が子である火之迦具土神の首を撥ねる場面をもって、日本人の本性は古事記神話の中に象徴的に描かれているのだとした。
日本神話には黄泉の国の話や、子の首を撥ねるなどなぜこんな不幸なことが書かれているのか。高橋氏は、古事記にある「修理固成」(理を修めてつくり固め成さん」の言葉を紹介し、神話の知恵を混迷の今こそ、学ばなければならないと提言した。当方がハッとさせられたのは、高橋氏が講演の最後に、2018年2月に行われた韓国平昌の冬季オリンピックにおいて、スピードスケート女子500Mで優勝した小平奈緒と2位となった韓国の李相花のエピソードを紹介したことである。
(國學院大學吹奏学部)
これは幾度もテレビでも紹介され、有名になった逸話だが、小平が先の組のレースを制し、まずオリンピック新記録を樹立。そして、オリンピック3連覇もかかる李が臨んだ次の組のレースで、わずかの差で小平に届かず、2位に。泣きじゃくりながらも太極旗をもってリンクをまわり声援に応える李に、日の丸を羽織った小平が近づき、「よく頑張った」と韓国語で語りかけ、肩を抱いたというシーン。
(池田光希氏による揮毫)
李は小平に「あなたは私の誇り」と答えたという。時あたかも、日韓関係は文政権誕生以来、冷え切っている中にあって、さらに輪を掛けて、韓国の国会議長による天皇陛下への謝罪要求の報道がなされたばかり。しかし小平の姿勢こそ、日本らしさであり、世界に誇るメンタリティーではないか。高橋氏は、こういう若者たちを育てていかなければならないと教育にかける熱い思いを訴えて結んだ。
第三部は関東小鉄太鼓による和太鼓演奏と書家、池田光希氏による揮毫パフォーマンスで締めくくられました。なお、式典の前に、外苑並木通りから明治神宮まで奉祝パレードが行われました。マーチングコンテストも開催され、國學院大學が優勝しました。