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映画「オンリー・ザ・ブレイブ」を観る

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 アメリカはアリゾナ州プレスコット市を舞台に、すべてを飲み尽くす炎の津波―森林火災に立ち向かう森林消防隊の知られざる実態に迫る。本作は事実に基づく。

 

 自宅で森林火災発生の一報を受けた市森林消防隊の指揮官マーシュ(ジョシュ・ブローリン)は、バギー(消防隊の搬送トラック)を駆って隊員たちを拾い上げつつ現場へ向かったが、いざ火を抑えこもうとするときに、駆け付けた米農務省直轄のホットショット(精鋭部隊)に現場をさらわれてしまう。憮然としてその場をやり過ごすしかなかったマーシュたちだったが、結局ホットショットは火災を鎮火できずに、町に被害を出してしまった。自分たちなら被害を防げたと歯ぎしりするマーシュたち。

 

 こういう経験からマーシュは自分たちもホットショットに格上げして欲しいと、市の消防署長であり、親友でもあるスタインブリンク(ジェフ・ブリッジズ)に依願する。市レベルでのホットショットは前例がなく、市長に掛け合うスタインブリンク。

 

 そんな折、ある若者が森林消防隊員の応募でマーシュの元を訪ねてきた。マクドナウ(マイルズ・テラー)と名乗った男は、薬物におぼれ、窃盗を働き捕まって留置され、先日保釈されてきたばかりで、保護観察処分の身だった。以前付き合った女を孕ませた責任を取るとして、これまでの人生を改めて再出発する旨を誓い、採用となった。ただ、森林消防隊の日々の訓練は”地獄”と称されるほどのハードさであり、心身共のタフさが要求された。

 

 いくつもの困難を乗り越えて、晴れてホットショットとなったマーシュたちプレスコット森林消防隊。市のランドマークであるグラニット山を冠して、新たに、「グラニットマウンテンホットショット」と命名された。彼らの目覚ましい活躍は今に伝わる。だがマーシュは、やがて発生したヤーネル火災現場へと向かう道すがら、彼の右腕であり、チームのキャプテンであるスティードに、指揮官を引退したい旨を切り出すのだった。

 

 本作で描かれる森林消防隊員たちはタフである。そのシンボル的存在がジョシュ・ブローリン扮する指揮官のマーシュだ。外見もマッチョでイカツイが、指揮官としての知見や能力もさることながら、その使命感と責任感に基づく揺るがぬ信念こそ彼の本領であり、隊員たちから絶大なる信頼と尊敬を集めている。だが、これだけならマーベルのヒーローと大差ない遥か彼方の存在だが、彼は実は底辺から立ち直ってきた人間でもあり、親友であるジェフ・ブリッジズ扮するスタインブリンクには子供のようにその心の内を打ち明けてみせる。なお妻のアマンダ(ジェニファー・コネリー)とは仲睦まじいおしどり夫婦だが、口喧嘩をすればやり込められ、翌朝、自分から謝るという始末。結婚当初は、子供は作らないという二人の合意だったものの、アマンダが子供や家族を持つことの憧れを口にするようになり、益々思い悩むのだった。

 

 一方、ヤク中やこれまでの自堕落な生活を脱し、生まれてきた娘と妻のため立派な父親になろうと必死に努力するマクドナウは、当初色眼鏡で見ていたチームメイトにも次第に受け入れられ、認められるようになる。ただ仕事を頑張れば頑張るほど、家族と会う時間が削られ、娘が懐かなくなるという矛盾を抱えていた。彼は機を見て建物消防へ移りたいという思いをマーシュに告白するが…。物語のクライマックスとなるヤーネル火災の現場において、彼がその目で見、その耳で聞き、最後に引き受けた運命とは何だったのか…。

 

 人は誰も、我知らず誰かのために生きている。我知らず、背負っているものがある。長い短いの別なく、これを自覚するか否かで、人生の価値は決まるのだ。だからこそ、人生というこの二度とない時間を大切に真剣に生きなければならない。本作は、わが胸深くに刻まれた。


仲村覚著「沖縄はいつから日本なのか」(ハート出版)を読む

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 著者の仲村氏が常々口にする言葉に、「民族とは歴史と使命を共有した運命共同体」がある。無論これは氏の出身地である沖縄を念頭においたものだ。ただ、一般的な理解では、今現在沖縄が日本国であることは疑いないが、1609年の薩摩侵攻以前は琉球王国が厳然と存在したわけで、その歴史を共有するなどというところまで考えが及ばないのが普通だ。

 

 本書では、政府が2006年11月1日、鈴木宗男衆議院議員の質問に答えるかたちで、「沖縄については、いつから日本国の一部であるかということにつき確定的なことを述べるのは困難…」との見解だったことを示し、なおかつ外務省のHPにある「外交史料 Q&A幕末期」には、黒船のペリー提督と琉球が結んだ琉米条約に関して、 「当時の琉球は、薩摩藩島津氏の統治下に置かれていましたが、他方中国(清国)との朝貢関係も維持するという『両属』の体制にありました」とあるのを紹介している。ただ、言われてみれば、政府見解もおかしいねと気付くが、琉球における中国王朝と日本との両属という部分については、違うんかい?と首をひねること必定だ。もっとも、そうであれば現在の沖縄において、中国語がもっと日常的に使用される実態があってしかるべきと思うのも確かだが。

 

 仲村氏は、かかる沖縄史観こそが、「琉球の帰属は未定で解決しておらず、日本が明治時代に沖縄県を設置して強奪した」と主張する中国を利していると警鐘を鳴らす。

 

  これに対する仲村氏の見解は明快だ。仲村氏は、1879(明治12)年の外交文書の中に当時の寺島正則外務卿や井上馨外務卿が、沖縄県設置に抗議してきた清国にあてた回答書を示し、その内容から以下のように解説している。「江戸時代の沖縄は薩摩の統治が隅々にまで及び、江戸幕府の幕藩体制にありました。しかし、幕府と薩摩藩の外交貿易戦略として、琉球を明や清との貿易拠点として活用するため、独立国の体裁をあえて保っていたのです。朝貢や冊封はそれを行うための外交儀礼にすぎませんでした。明国もそれを知っていて黙認していたことも、明らかになっています」。なるほどこれですっきりする。

 

 かくして仲村氏の啓蒙・渉外活動が実り、なかんずく仲村氏の議論に理解を示した山田宏参議院議員の国会質問によって、今現在の政府見解は、「沖縄については、寺島外務卿が沖縄は数百年前からわが国所属の一地方である旨述べていたことが確認されています。いずれにせよ、沖縄は長年にわたりわが国の領土であり、沖縄がわが国領土であることは、国際法上何ら疑いないところであります」と安倍首相が答弁し、前述の「確定的なことを述べるのは困難…」を修正させたのだ。

 

 また仲村氏は、政治的な意味だけでなく、遺伝学的にも日本人はアイヌや沖縄とともに縄文人を共通の先祖として、大陸や南洋の人たちとはそのDNAが大きく違うこと、さらに1893年に来沖した英国人バジル・ホール・チェンバレンが、琉球語(ウチナーグチ)が日本の一地方の方言であることを文法上の類似性から導き出し、現代日本語からすでに消滅して久しい文法法則が現代琉球語に厳然たる姿で残存することを明らかにしたとして、その言語においてもルーツを同じくするということを示し、中共が強引に吹っかけてくる琉球独立論の根拠をことごとくはねのけて見せている。そして何より、日本が敗戦したのち、沖縄に独立運動が起きずに、復帰運動が起きたことこそがそれを雄弁に物語っているのだ。

 

 最後に仲村氏が独立主権国家の守るべきアイデンティティの重大な要素として言語と国旗を挙げておられることは瞠目する。かつての欧米列強の植民地政策は言語を奪うことに帰結したのではなかったか。「発展途上国では、高等教育は英語など植民地時代の旧宗主国の言語で行われることが多いので、大学を出ていれば英語を話せるのは当たり前なのですが、そうした国々の街には日本製の自動車や電気製品があふれているのに、自国の工業製品などほとんど見当たらない」(関岡英之・和田秀樹著「『改革』にダマされるな!」(PHP研究所)」状況であるのは自国語の重大性を示して余りある。ともかくも沖縄の日本語教育を守った人士として、山城篤男、川平朝申、そして初代沖縄県知事である屋良朝苗の名を挙げ、さらに屋良の昭和28年の国会参考人演説を紹介し、日本語教育と日の丸掲揚を守ることが日本民族の魂を守ることだと力説している。

 

 沖縄は歴史上も現在も日本を映す鏡であり、国家存亡をかけた国防最前線であるとともに、現代人が忘れかけた国家存立の要諦を図らずも浮かび上がらせてくれている。

映画「アローン」を観る

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(新宿シネマカリテのロビーにディスプレイされたフィギュア)

 

 とある砂漠地帯において、地雷を踏んで身動きが取れなくなった米兵スティーブンス軍曹(アーミー・ハマー)。その相棒であるトミーは、やはり地雷を踏み、スティーブンスの目の前で両足が吹っ飛んで、暫くののち果てていた。「息子に愛していると伝えてくれ」と言い残して。

 

 難儀の末、漸く繋がった無線からの司令は、52時間後に救援部隊が駆け付けるまで待てと。加えて不測の事態の場合、埋められた地雷劣化の法則から不発の可能性が7%あると。現実を全く無視した内容に怒りを剥き出しにするスティーブンス。絶対絶命の立場の彼に容赦なく襲いかかる砂漠の猛威。灼熱の太陽、夜は凍える寒さ、猛獣の群れ、砂嵐、そして敵兵…。52時間を踏ん張り通せるのか(踏ん張りきっても助かるとは限らない)。はたまた7%の望みに賭けるのか。そしてこの心身ともの究極の苦痛の先に彼が見たものは…。

 

 本作は実話ではないが、戦場とは往々にしてこういう場面を作り出すのではないか。ことに地雷という非道きわまる兵器の罠に落ちた米兵というシチュエーションにメッセージが詰め込まれていよう。スティーブンスにとって52時間は、1年にも感じられる長さだったが、これは実に圧縮された彼の人生そのものだったといえる。人は自分の命の価値を知る時に大切なものが見えてくる。

 

 「ムーブオン!」(一歩踏み出せ)。突然現れては、身動きできないスティーブンスをからかったり、励ましたりする現地人の男が語りかける言葉だ。この言葉がスティーブンスの人生を切り開くキーポイントとなる。

 

 なにはともあれ、アーミー・ハマーかっけ!!

月刊ビューポイント8月号発行しました

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月刊ビューポイント8月号の内容は以下のとおり

 

◇PHOTO GALLERY

  歴史に刻まれたシンガポール

◇米朝首脳会談

  非核化 具体策示さず

    ―トランプ氏 体制保障、拉致問題も提起

  ・非核化遠のく政治ショー(シンガポール・早川俊行

  ・非核化棚上げ? 批判必至(シンガポール・上田勇実

  ・独断専行型が裏目に早川俊行

  ◎米朝会談 識者はこう見る

    *過去の文書より大幅後退

      (国連北朝鮮制裁委員会元専門家パネル委員・古川勝久

    *まだ見えぬ非核化の真実性(拓殖大学主任研究員・高永喆

  ・「非核化 成果乏しい」―米メディアは厳しい評価

                       (ワシントン・山崎洋介

◇米朝 ”宴の後で”-非核化・拉致問題の行方

  ①レーガンの教え生かされず―トランプ流ディール

                   (シンガポール・早川俊行

  ②不用意発言が交渉力削ぐ―「ツイッター政治」

                   (ワシントン・山崎洋介

  ③拙速は足を掬われる恐れ―日朝対話路線へ転換

                   (政治部・武田滋樹

  ④「核全廃せず経済再建」に道―意気揚々の金正恩氏

                   (ソウル・上田勇実

◇トップニュース

  日本が北に5兆円拠出―非核化費用で米朝首脳

                        (ソウル・上田勇実

◇国益ネット放送局 パトリオットTV

  「米軍と自衛隊の緊密な連携を」

   ゲスト:ロバート・D・エルドリッヂ(エルドリッヂ研究所代表)

◇米最高裁 信仰理由に同性婚ケーキ拒否

   ・カップルに職人勝訴(ワシントン・山崎洋介

   ・信仰の自由を尊重(編集委員・早川俊行

◇東京・狛江市 庁舎での「赤旗」購読禁止へ 

  職員の中立性確保/他の自治体でも議論(政治部・亀井玲那

◇高永喆の半島NOW

  北が米中間で二股外交へ

◇ワシントン発 ビル・ガーツの眼

  ・核搭載可能の新型ICBM 中国、配備間近か

  ・先端技術を盗み出す中国

◇防衛レーダー

  要廃棄は核のみにあらず濱口和久

◇ワールド・スコープ

  ・台湾・蔡政権 多難な2年

    中国の断交圧力、バチカンにも(香港・深川耕治

  ・コロンビア大統領選

    和平合意の是非が争点(サンパウロ・綾村悟

  ・ロシアの愛する「ウィーン外交」

    制裁解除訴え プーチン氏訪問で(ウィーン・小川敏

  ・イスラエルとパレスチナ

    停戦後も止まぬ報復の応酬(エルサレム・森田貴裕

  ・韓国は「文在寅王国」に?

    地方選で与党圧勝、米朝会談追い風(ソウル・上田勇実

  ・仏刑務所に聖戦思想拡大

    過激思想の囚人隔離・更生へ新施設(パリ・安倍雅信

  ・イエメン、ホデイダ港めぐり内戦激化

    暫定政権軍が空港占拠(カイロ・鈴木眞吉

◇WHO'S WHOひと

  「健康とおいしさで多くの人を幸福に」

     薬膳料理「漢喫茶」 宮本貴世絵さん

◇沖縄のページ

  ・3期目の中山義隆・石垣市長に聞く

    自衛隊配備「一定の理解得た」(那覇・豊田剛

  ・沖縄戦慰霊の日

    中国の脅威を訴える李登輝元総統(同上)

◇持論時論

  ・戊辰戦争終戦時の奇跡  

    菅実秀と西郷「徳の交わり」 菅秀二

  ・東京都いたばし倫理法人会設立30周年記念講演

    時代が求める公益資本主義/会社は社会に貢献する「公器」

       原丈人(アライアンス・フォーラム財団代表理事)

◇世日クラブ講演会

  「沖縄はいつから日本なのか」

    復帰への先人の志を受け継ぐ

     (仲村覚・一般社団法人日本沖縄政策研究フォーラム理事長)

◇救国救世ビジョンー家庭再建講座11

   第二章 日本社会を蝕む結婚文化の衰退

         6.子供たちの人生を誰が守るのか

◇内村鑑三を読む

  「宗教と文学」(11)

    セルバンテスの滑稽と悲惨(増子耕一

◇山田寛の国際レーダー

  ・米朝首脳会談後

    アジアの人権は厳冬期入りか

  ・金正恩氏への小提言

    隗より始めて普通の国へ

◇教育

  山形県最上8市町村で「ジモト大学」

    菅内の高校生が地域を”深堀り”(市原幸彦

第180回世日クラブ講演会ご案内

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 テーマ

     トランプVS金正恩

         ―北の非核化と拉致問題の行方

 

 

(講師:島田洋一氏)

 

 世日クラブの第180回定期講演会を8月23日(木)に開催いたします。今回は、福井県立大学教授で、拉致被害者を「救う会」全国協議会副会長の島田洋一氏を講師に招き、「トランプVS金正恩―北の非核化と拉致問題の行方」と題して語っていただきます。

 

 6月12日にシンガポールで初の米朝首脳会談が開催されましたが、その後の実務者協議は思うように進んでおらず、北朝鮮の非核化が本当に実現するのか、依然不透明です。長年、米朝関係をウオッチし、日本人拉致問題にも深く関わってきた島田氏に、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の思惑や非核化の行方、日朝交渉・拉致問題の見通しについて語って頂きます。

 

<講師プロフィール>

しまだ よういち

 1957年、大阪府枚方市生まれ。1980年、京都大学法学部卒業。1985年、京都大学大学院・法学研究科政治学専攻博士課程修了後、同年4月より京都大学法学部助手。1988年、文部省教科書調査官を経て、1992年より福井県立大学助教授。2003年、同大学教授として現在に至る。産経新聞「正論」執筆メンバーであり、月刊『正論』に「アメリカの深層」、月刊『WILL』に「天下の大道」を連載中。また、拉致被害者を「救う会」全国協議会副会長、国家基本問題研究所評議員・企画委員政府「拉致問題に関する有識者との懇談会」委員として活躍中。主な著書に「アメリカ・北朝鮮抗争史」(文春新書)、「新アメリカ論」(共著、産経新聞出版)他多数。

 

【演題】「トランプVS金正恩―北の非核化と拉致問題の行方」
【講師】島田洋一氏 (福井県立大学教授)
【日時】平成30年8月23日(木)18:00受付開始、18:30開演
【会場】〒112‐0003 東京都文京区春日1-16-21 文京シビックセンター26階スカイホール
【会場に関する問い合わせ】03-5803-1100(財)文京アカデミー施設管理係
【交通案内】東京メトロ丸の内線、南北線の後楽園駅徒歩3分、都営地下鉄三田線、大江戸線の春日駅徒歩3分、JR中央・総武線の水道橋駅徒歩10分
【参加費】2千円(会員無料)

【主催/後援】世日クラブ/世界日報社、言論人フォーラム

【連絡先】世日クラブ事務局・柏木、電話047(314)5761、FAX047(314)5762、HPはhttp://senichi-club.net

映画「インクレディブル ファミリー」を観る

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 人智を超えた途轍もないパワーを持つスーパーヒーローたち。彼らは誰も心優しく、その能力を悪との戦いに惜しみなく注いでいた。ただ、その戦いには破壊が付き物。とりわけ戦う相手が強大であればあるほど、その代償も大きくなること必定。だが、世情はそれを許さなかった。ヒーローが活躍するメリットより、デメリットの方が大きいと。なおかつメディアのネガティブな報道が拍車を掛けた。以来、「ヒーロー活動」は法律によって禁じられたのだ。

 

 そんなある日、突如、巨大なドリルマシーンが地下から出現し、街を破壊し始めた。Mr.インクレディブル(特殊能力:怪力)ことボブ・パーと、その妻であるイラスティガール(ゴム人間)ことヘレン、そして長女のヴァイオレット(バリア&透明人間)と長男のダッシュ(時速300Kmラン)、それに次男でまだ赤ん坊のジャックジャック(能力∞?)らは知る人ぞ知るスーパーヒーローファミリー。彼らは法律違反であることは百も承知でも市民を守るため…もっともヒーロー活動したくてウズウズしていたのも事実…ス―パースーツをまとって、決死的に戦い、街の壊滅を防いだ。だが、彼らを待っていたのは市民からの非難の声であり、警察の聴取だった。やはり彼らは街にとって厄介者であり、時代遅れの存在だったのか。

 

 だがそこに強力な応援者が現れた。新進気鋭のメディア実業家であるウィンストン・ディヴァーと妹のイヴリンだ。彼らはヒーローが存分に活躍することこそ、市民生活にとって有益で、それを禁じる法律は悪法との考えだった。そしてヒーローへの市民の評価が低いのは、彼らの活躍がちゃんと伝わっていないからだとして、メディア戦略を提唱し、その主役にイラスティガールを指名するのだった。期待が外れたボブはスゴスゴと家庭を守る主夫に。しかしそれはヒーロー活動以上に大変なミッションで、毎日3人の子を相手にもうヘロヘロ。ヘレンは順調にミッションをこなしていくが、やがて仕掛けられた罠に落ちていく。ヘレンはどうなるゥー!!そしてこの家族の運命はいかにィー!?

 

 前作から14年と、これも珍しい。前作「Mr.インクレディブル」のラストシーンは明らかに次回作へのつなぎとなっているからだ。本作冒頭のドリルマシーンの登場と、赤ん坊ヒーロー、ジャックジャックの能力開花が描かれている。だが、ブラッド・バード監督の弁は他意はなく、今が作るべき時だったとそっけない。ストーリーは、はっきり言ってことさら目新しいものではないっていうか手垢にまみれた凡庸そのもの。スーパーヒーローたちもサイボーグ009の焼き直しか。ただ通常、この手の作品であれば、Mr.インクレディブルが頂点にいて、その他の家族は彼を支えるというピラミッド構図を想定しがちだ。しかし本作ではそれぞれ主役のパートがあり、家族が一つになるというテーマをメインストリームにもってくることで、まったく違う感性に仕上げられていて、グイグイ引き込まれた。アニメとは思えない圧巻のアクションシーンも見モノ。日本語吹替版に、ボブ:三浦友和、ヘレン:黒木瞳、ヴァイオレット:綾瀬はるかのキャスティングもグー!!

プロレスラー高山善廣に見る本物の強さとは

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 高山善廣をよく知っているわけでもそのファイトが好きなわけでもない。UWFインターにいたなとか、安生洋二・山本健一とゴールデンカップスを組んだなとか、PRIDEではドン・フライとえげつないファイトやったなとか、それぐらい。あと…顔歪んでるなと。いつぞやネット情報で彼がプロレスの試合中、大けがを負い、半身不随だとかいうことも耳に入ってはいた。そうなんだーとただそれで終わった。

 

 8月8日付読売新聞17面「ケアノート」に、ひと際目を引くきりりとした美人が…高山奈津子さんとあり、高山善廣の奥さんだという。高山は昨年の5月に試合中のアクシデントで頭部を強打し、現在でも肩から下を思うように動かせないとのこと。そして今、「必ずリングに立つ」として、懸命なリハビリに励んでいるのだそう。

 

 記事によれば高山は、試合中に相手選手に技をかけた際、誤って頭からマットに落ち、その場で動けなくなった。診断は「頚髄完全損傷」。手術をして一命はとりとめたものの、医者からは「回復は難しい」「歩くこともままならない」と告げられた。しかし本人は絶対動けるようになると今でも思っているようで、もっとも奈津子さんも「それを否定できないし、否定することでもありません」と。現実がどうであれ、信念において寸分違わない夫婦に奇跡は起こると当方も信じたい。ただ今さらではあるが、リング上で高山に油断がなかったか気にかかるところだ。サイズがサイズだけに自分の体重で自滅する可能性は常にある。それはそうと、奈津子さんは高山の食事介護を担当し、筋肉の拘縮を予防するマッサージなどを行っているそうだ。

 

 高山夫婦には小学生の息子がいるのだという。高山は51歳、奈津子さんは50歳。子育てもこれからであり、夫婦の人生もまさにこれからという時ではないか。夫婦とも目の前が真っ暗になったであろうことは想像に難くない。まして、高山はプロレスラーとして元々の体躯(身長196センチ)とともに鍛え上げられた肉体こそ商売道具だ。それがベッドに釘付けされ、妻に介護されてしまっているようでは商売あがったりどころか、生き地獄そのものではないか。

 

 奈津子さんの以下の言葉は胸に沁みた。「そんな毎日をつらいとは思いません。一番頑張っている本人の前で私が泣いたら、夫は気持ちが立て直せなくなるかもしれません。彼に心配などさせてはいけない。身だしなみを整えるなど身辺の世話をしながら、世界が病室の中だけになってしまった夫の不満を聞くようにしています」。

 

 この31日には高山を支援するプロレスイベントが後楽園ホールで開催されるそうだ。「ファンやレスラー仲間の皆さんの支援が、『絶対に(リングに)戻ってやる』という夫の強い意志の源となっています」と奈津子さん。最後に彼女は、「高山善廣という男の強さを改めて感じさせられた私も、ともに強くありたいと思っています」と結んでいる。

 

 高山のケガによる不随の身は、当然ながらできれば避けたかった運命だったが、逆にそのことによって夫婦はより一層絆を深めあい、お互いが強くなれた。無論綺麗事だけですまされる問題ではなく、これからも長い苦悩と苦痛の現実は続く。しかし、一歩間違えば死んでいたかもしれない命が、今多くの支援と夫婦の懸命な努力と愛の結晶として輝きを放ちつつある。高山善廣の回復を心から祈念したい。

月刊ビューポイント9月号発行しました

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月刊ビューポイント9月号の内容は以下のとおり

★PHOTO GALLERY

 トルコ・イスタンブールを巡る

★米国の分断

  第2部  反米・容共の風潮

   ・揺らぐ国旗・国歌への敬意―NFL選手の「片膝抗議」

   ・国家に反抗「かっこいい」―「忠誠の誓い」を拒否

   ・放置される「不都合な真実」―警察は黒人の脅威か

   ・黒人の成功物語に焦点を―被害者意識を超えて

   ・社会主義に惹かれる若者―左翼政治団体の躍進

   ・ミスリードするメディア―甦るマルクスの亡霊

   ・政治の方向性誤らせる恐れ―若者の歪んだ歴史観

                     (編集委員・早川俊行

★日本台湾平和基金会・日本李登輝友の会晩餐会

   スピーチ 李登輝元台湾総統

  “中国の覇権主義はアジア最大の不安定要因”

★都庁に「赤旗」配達員10人

  ・都が異例の許可書発行/管理規則違反の勧誘・販売黙認か

  ・都道府県庁の政党機関紙購読数 「赤旗」岡山など8県で減少                  

                       (「しんぶん赤旗」問題取材班)

★防衛レーダー

  深刻なハイブリッド脅威(濱口和久

★高永喆の半島NOW

  米国接近で揺れる北朝鮮内部

★ワシントン発 ビル・ガーツの眼

  ・中国、先進技術の獲得狙う―米大手航空機メーカーの株式取得

  ・新兵器開発も実戦経験なし―米国防長官が中国軍を牽制

★ワールド・スコープ

  ・ドゥテルテ比政権3年目/テロ対策で評価、経済は停滞(マニラ・福島純一

  ・韓国新北派の“北詣で”急増/経済支援や「反日」連帯へ(ソウル・上田勇実

  ・米最高裁判事、トランプ氏保守派指名/承認へ中間選睨み攻防激化(ワシントン・山崎洋介

  ・フランスでイスラム過激派のテロ多発/対策で情報集中管理目指す(パリ・安倍雅信

  ・シリア内戦、反体制派地域の奪還続く/ロシアがアサド政権支援(カイロ・鈴木眞吉

  ・中国製薬会社、子供用ワクチンに欠陥/医薬品業界に巨大利権(ソウル・上田勇実

★WHO'S WHOひと グローバル教育研究所理事長・渥美育子

  グローバル化に対応した「人財」育成

★沖縄から

  ・9月9日は沖縄26市町村で議会選/米軍基地・安保に直結

  ・翁長雄志沖縄県知事が「最後のカード」を切る/辺野古埋め立て承認「撤回」(那覇・豊田剛

★インタビュー

  ・北村透谷生誕150年/近代文学に大きな影響

     鈴木一正(北村透谷研究会幹事)

  ・秩父神社における神仏習合/共存する日本的な信仰

     薗田稔(秩父神社宮司)

★講演

  韓国を理解するための知的技法

    「抽象度」高め見える異文化の本質 

       小倉紀蔵(京都大学大学院人間環境学研究科教授)

★救国救世ビジョン―家庭再建講座12

   第三章 日本型家族政策の必要性

    1.婚外子比率と出生率は無関係

★内村鑑三を読む

  「宗教と文学」(12)

   骨肉に嫌われた内村の人生(増子耕一

★山田寛の国際レーダー

  ・難民・移民・外国人労働者

     日本はウィンウィンの関係を

  ・日本PKO只今4人

     高田警視の千の風を想う

★教育

  ・札幌で道徳授業・家族の在り方セミナー

     まずは大人の人格教育から(札幌支局・湯朝肇

  ・秋田・上小阿仁小中学校の取り組み

    「郷土芸能の伝承」教育の特色に(市原幸彦)    


第180回世日クラブ講演会が開催されました

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米、金融制裁で北に圧力か

福井県立大学教授 島田洋一氏が講演

 

    (島田洋一氏)

 

 世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良<ゆずる>・近藤プランニングス代表取締役)の定期講演会が23日、都内で開かれ、福井県立大学教授で拉致被害者を「救う会」全国協議会副会長の島田洋一氏が「トランプVS金正恩―北の非核化と拉致問題の行方」と題して講演した。

 島田氏は、米国家安全保障会議(NSC)に新設された北朝鮮問題を担当するポストに、財務省や国務省で北朝鮮やイランへの経済制裁立案に携わったアンソニー・ルッジェーロ氏が起用されたことに触れ、トランプ政権は金融制裁で北朝鮮に圧力をかける可能性があると分析。

 「ルッジェーロ氏は、北朝鮮のさまざまな資金を扱っている中国四大銀行の一つ、中国銀行への制裁を主張している。トランプ氏なら歴代政権ができなかった中国銀行への制裁に踏み込む可能性は十分あり得る」と指摘した。

 さらに、北朝鮮が真剣に非核化に取り組む姿勢が見られなければ、金融制裁の次の段階として、対北強硬派のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を中心に、「軍事オプションを具体化していく可能性がある」との見方を示した。

 また、日本人拉致問題について、「何らかの要因で北朝鮮が混乱状態に陥った時、自衛隊を派遣することは難しく、現状では米軍に頼らざるを得ない。そういう時に拉致被害者を救出できる態勢をつくっておくべきだ」と主張した。

 講演に先立ちあいさつした世日クラブの近藤会長は「自由と民主主義、法の下の平等、人権という価値観のない中国が世界を二分する勢いで行動している」と強い警戒感を示した。

(世界日報8月24日付、1面より)

映画「スターリンの葬送狂騒曲」を観る

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 ロシア政府が上映禁止した”超問題作”だって。ま、プーさんを上映禁止するよりまだマシか。どっかの国では、国会前で首相の写真にチョビ髭を描き、ハーケンクロイツをあしらったプラカードを堂々と掲げてデモっても、当の首相は、「こんな人達に負けるわけにはいかない」とかなんとかしか返せないのみならず、逆にマスコミ総がかりでバッシングされてスゴスゴと退散という始末。嗚呼…。

 

 それはそうと、ロシア革命の立役者レーニンの後継者で、国民から”父”とも”太陽”とも崇められたソ連最高権力者ヨシフ・スターリン。だが、その実態は粛清に次ぐ粛清という想像を絶する恐怖政治の上に君臨する独裁者だったのは衆知の事実。

 

 そもそもマルクスレーニズムたる共産主義とは、生産手段の社会化と私有財産の廃止によって、階級や資本主義的搾取はなくなり、各人は能力に応じて働き、必要に応じて受け取る平等な社会とされた。しかし実際のところ、前衛党たる共産党が国家を指導する一党独裁体制であり、そこでは権力闘争が止まず、権力者はその維持のために監視システムと粛清による恐怖政治を必要としたのだ。畢竟、スターリンという稀代の独裁者こそ共産主義の申し子といえた。

 

 さて、本作は1953年にスターリンが急死し、彼の後継を巡る権力争いの顛末をコミカルに描く。そのプレーヤーたちは、ベリヤ(秘密警察NKVD警備隊最高責任者)、フルシチョフ(共産党第一書記)、マレンコフ(スターリン補佐役)、モロトフ(外務大臣)、ジューコフ(ソビエト軍最高司令官)ら。いずれ劣らぬ個性派ぞろいだが、スターリンという頭の上の重しが取れた瞬間、みんな糸が切れた凧よろしく暴走し始める。追い落とし、裏切り、抱き込み、あらゆる権謀術数と虚々実々の人間模様が目まぐるしく展開してゆく。はてさて、この面妖至極な椅子取りゲームを勝ち抜き、晴れてソ連最高権力者の座をゲットするのは誰だ!?

 

 本作でスターリン施政下の不合理と非効率の極致を象徴するのが、他ならぬスターリンの死の場面。スターリンは警備兵に入り口を守られた部屋の中で、脳出血で倒れてしまうが、その二人の警備兵は部屋の中で、”ドタッ”という大きな音を聞いて不信に思うも、許可なしに勝手な行動をすると処刑されかねないということで、知らぬふりを決めこみ、ただ突っ立ったまま翌朝を迎えてしまう。スターリンが倒れたことが判明したのちも、駆け付けた側近たちは、床に広がった小水の水たまりの中に横たわるスターリンをただ見下ろし、あたふた狼狽するのみ。医者を呼ぶにも委員会の合議がいるなどとしてこれまた時間を空費。いざ医者を呼ぶと決まっても、今度はまともな医者は反逆罪で牢獄にいるという現実が露呈。スターリンはその後、病院で一瞬息を吹き返すが、ほどなく死亡する。早めに処置すれば死ぬことはなかったかもしれない。皮肉にもスターリンの最後は、自身が築き上げたシステムによって招いた自業自得だったのだ。

 

 本来、笑うことが不謹慎と思える本作のストーリーだが、事実関係はほとんどが真実だという。だから、これはコメディではあるが、敢えて笑わそうというより、当の本人たちは真剣だったにもかかわらず、傍から見た場合、滑稽だったりナンセンスだったりするおかしさを終始捉えている。例えるなら、北朝鮮国営放送の名物おばはんアナのあの名調子が、俳優らの演技を付けて展開されるようなもの? マジ怖いんですけどっ!! やっぱ笑えないわ。 失敬…

百田尚樹著「影法師」(講談社文庫)を読む

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 下士の身分から藩の筆頭国家老まで上り詰めた主人公、戸田勘一。そのもとに、刎頸の友であった磯貝彦四郎の訃報がもたらされ、勘一は絶句する。不遇のうちに逝ったとされる彦四郎。二人の運命を分けたものは何だったのか。

 

 太平の江戸の世にあっても、武士たる者、一旦緩急あれば命を賭ける覚悟が求められた。幼少のとき、父親を目の前で斬り殺された勘一。以来、学問と剣術に励みつつ、いくつかの修羅場もくぐり抜けてきたが、あらためてその人生を振り返ってみるに、筆頭国家老という今の自分の立場に不可思議さを禁じ得ない。

 

 特に印象的な場面はこうだ。百姓一揆を率いた首謀者の一族郎党が処刑されるシーン。磔にされ、下から脇腹を交互に槍で突き抜かれる。その中に首謀者の5歳の息子がいるが、首謀者は息子を怖がらせたくないからと、自分からでなく、息子からやってくれと頼む。そして叫ぶのだ。「吉太っ。今から、おっとうとおっかあと共に極楽行くぞ。おっとうが見ているから痛くない。吉太、泣くなよ」と。この首謀者は村の年貢の軽減のために自分自身はおろか、一族郎党の命を賭けたのだ。農民も一旦緩急あればその覚悟が要った。

 

 この物語に貫かれているテーマは、滅私奉公か。そしてそのことをおくびにも出さない武士の潔さか。いま、巷を見渡せば、「俺が、俺が」の権力闘争がかまびすしいが、本作はそんな世情に痛烈なアンチテーゼとして響くこと必定。夏の終わりに一服の清涼剤となった。

パトリオットTVに阿比留瑠比氏登場!!

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 世界日報のネットTV局パトリオットTVに、産経新聞の看板記者、阿比留瑠比氏が登場。今回の自民党総裁選の話題を中心に、自民党政調会の田村重信氏と議論を繰り広げた。

 

 今回、アシスタント役の岸本玲七さんは夏休みとのことで、ピンチヒッターは岩崎哲氏。岩崎氏は世界日報の編集委員で、年齢も記者歴も阿比留氏より一回り上であることに加え、英語も韓国語も堪能で日頃イケイケの饒舌家。その岩崎氏が借りてきた猫のようだったのはちょっと笑った。

 

 ただ、田村氏を挟んでだが、産経の現役記者と世界日報の現役記者が並び立つ絵は画期的だった。ともに、安倍応援団をもって自任する新聞社同士。今後、共闘への展開があるのか?はい、ありません。田村人脈で来てもらっただけ。悪しからず。

映画「ブレス 幸せの呼吸」を観る

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 ブレス=呼吸。私たち人間は1日に2~3万回の呼吸をしているという。言うまでもなく、それは心臓の鼓動と同じで、自分の意志とは関係なく、自律神経によって制御されている。もしその呼吸を食物を摂取するのと同様に、自分の意識下で行わなければならないとしたら…。

 

 呼吸を2~3分ストップすれば死に至る。むろん、呼吸しなければ苦しいわけだから、必死でやるだろうけども、そのために常に神経を尖らせ、ウカウカ寝てもいられなくなる。

 

 普段は意識もしないが、あらためてこう考えてみれば、この体のメカニズムたるや凄いなと。実に有難いことこの上ない。そしてこのシステムを創ってくれた神様に感謝だ。ただこれが進化の偶然だったらもっと凄いけどね。

 

 はい、それはともかく、主人公のロビン(アンドリュー・ガーフィールド)は28歳のとき、突如として首から下が動かなくなり、呼吸さえ自力ではできなくなった。時は1959年、原因はポリオの感染だった。幸い、すでに人工呼吸器が存在し、それを装着することで、命脈を保つことはできたが、医者の診断は余命数か月。当初、「死にたい」と何度も口にし、最愛の妻ダイアナ(クレア・フォイ)と生まれたばかりの息子ジョナサンさえ避けようとしたロビン。もっとも当時の常識では、どんなに生きながらえようとも、一生病院のベッドの上以外は考えられなかったわけで、ロビンの反応も無理からぬことだった。

 

 そんなロビンが病院を抜け出し、人工呼吸器付きの車いすに乗って、行きたい場所ならどこへでも旅することができるようになったのは、ひとえに献身的かつ行動派の妻ダイアナと、それにひけを取らない気の置けない友人たちの存在だった。そしてロビンの生涯は、人工呼吸器を付けての世界最長生存記録(当時)36年とともに、世界一幸せに生きた男と呼ばれるようになったのだった。

 

 本作のようにメッセージ性の強い作品は、いきおい攻撃的になる傾向が強いと思うが、本作にそれはない。劇中、当時のドイツにおけるロビンと同じような寝たきりの人間に対する処置の様子が映し出されるが、失敬ながら、吐き気を催す。そんな場面でも、主人公ロビンの屈託のない笑顔が強烈な印象として刻まれていく。そしてこの物語は彼以上に、妻ダイアナの凄さで上書きされていくのだ。

 

 幾多の男の求愛を断り続けた美貌の持ち主で、大恋愛のすえ、スポーツマンでスレンダーなイケメンのロビンと結ばれたダイアナ。だが、そんな人生の絶頂期はたったの1年でしかなかった。突如、降ってわいた寝たきりの夫の介護。絶望はダイアナにこそ訪れたと言えるかもしれない。しかし、ダイアナはただの一度も、否、一瞬も、この苦難に屈しなかった。ロビンに一途の愛で添い遂げたのだ。

 

 なお本作のプロデューサーはロビンの実の息子であるジョナサン。リアリティ溢れる作品となったことは、プロデューサー冥利に尽きると言ったところか。

 

 本作を観てわれ思う。神は何故、子たる人間にかような苦痛を与え給うかと。だがロビンは不幸ではなかった、断じて。ロビンは妻ダイアナと家族とともに世界一幸せに生きた男となったのだ。これが答えだろう。

月刊ビューポイント2018年10月号発行しました

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 月刊ビューポイント2018年10月号の内容は以下のとおり

 

◇PHOTO GALLERY

 エジプト・シャルムエル・シェイクの夏

◇人口減少社会を超えて

  第1部  ●先駆けの地方移住

   〇島根県・海士町

     ・”よそ者”が活性化の原動力に―人口の2割が島外移住者

     ・生涯の仕事と子供を得る―IT企業から漁師に

     ・田舎の魅力子供たちも把握―子育て環境を求め

   〇北海道・北竜町

     ・就農フェア契機に夢実現―若夫婦が作る名産スイカ

   〇福島県・二本松市東和地区

     ・環境に優しい農業めざす―東京から中山間地へ

     ・発泡酒、ワインも製造―原発事故の風評乗り越え

     ・地域の人たちが開墾手助け―”郷土愛”で逆境乗り越え

◇中国「一帯一路」最前線  バルカンに吹く風

  ・「金の鶏の卵与えたと同じ」―ギリシャ・ピレウス港の売却

  ・EU「分配支配の道具」警戒―中国主導「16プラス1」

  ・借金漬けから長期租借狙う―ピレウス港の海軍基地化

  ・欧州委が調査に乗り出す―セルビア・ハンガリー高速鉄道建設

  ・町を歩けば「ニーハオ」―セルビアで増す中国人の存在感

  ・先端技術狙い中国が買取り―米ステルス機の残骸

  ・中国、呼び戻して思想チェック―ウィグル人の避難所・トルコ

  ・中国IT御三家が触手―クロアチアとブルガリア

                                 (池永達夫)

◇防衛レーダー

  共産、自衛隊行事に横ヤリ(濱口和久)

◇ワシントン発 ビル・ガーツの眼

  ・米中露、極超音速兵器で開発競争―中国試験発射に成功で、先行

  ・中国、有事に北朝鮮侵攻も―米国防総省報告

◇高永喆の半島NOW

  非核化へ手詰まりの北朝鮮

◇ワールド・スコープ

  ・ベネズエラ、経済危機で難民大量流出/南米全体を揺さぶる恐れ(サンパウロ・綾村悟)

  ・北は主敵」削除? 韓国で波紋/文政権の”配慮”に保守反発(ソウル・上田勇実)

◇トップニュース

  ・韓国文政権 南北融和で反日抑制

    光復節の演説で批判ゼロ/市民団体突き上げに対応苦慮も(ソウル・上田勇実)

  ・中国 海外企業に理不尽圧力

    航空会社が「台湾」削除/米「検閲の輸出」に危機感(ワシントン・山崎洋介)

◇WHO'S WHOひと 笑顔で届け人生に光  菅谷晃子さん(豆腐販売員)

◇沖縄から

  ・空手ツアーで海外観光客増を/初の五輪正式種目を弾みに

  ・養殖の第一人者・金城浩二さん/サンゴ礁壊滅の危機救え

                                   (那覇・豊田剛)

◇インタビュー

  ・中国の野心と米国/大陸国家・中国の海洋進出に矛盾

     澁谷司(拓殖大学海外事情研究所教授) 聞き手=池永達夫

  ・西日本豪雨から何を学ぶか/遅れている異常豪雨への備え

     矢田部龍一(愛媛大学名誉教授) 聞き手=多田則明

  ・お大師さんと二人でこの道を/お釈迦様のこと、説話で伝えたい

     樫原禅澄(総本山善通寺前管長) 聞き手=多田則明

  ・少子高齢化時代の「葬儀」/故人の生きざま伝える

     安部由美子(日本葬祭コーディネーター協会代表理事) 聞き手=多田則明

◇世日クラブ講演

  「トランプvs金正恩」―米、金融制裁で対北圧力強化か  

        島田洋一(福井県立大学教授)

◇救国救世ビジョン―家庭再建講座13

   第三章 日本型家族政策の必要性

    2.女性の就業促進

◇内村鑑三を読む

  「日清戦争の義」(1)

   日本は東洋のギリシャなり(増子耕一

◇山田寛の国際レーダー

  ・共産・強権独裁国家も

     遺骨にもっと敬意を

  ・スポーツ支援も含めて

     東京五輪の真価が決まる

◇教育

  ・札幌市で「T-1グランプリ」開催 ”日本茶博士”目指し小学生奮闘

     (札幌支局・湯朝肇

  ・山形・鶴岡中央高「シルクガールズ・コレクション」

     地元の絹産業を学び表現(市原幸彦)

 

その他、論壇時評/メディアウオッチ/ビューポイント/社説 など

   

映画「判決、二つの希望」を観る

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 舞台は、中東レバノンの首都ベイルート。小さな自動車修理工場の経営者、トニー・ハンナと建設会社の現場監督、ヤーセル・サラーメが白昼起こした小さな諍いが、やがてヤーセルによる暴力事件に発展。さらにそれは法廷闘争にまで持ち込まれ、国中を巻き込んだ一大論争へと突き進む。なぜそんな大ごとに?

 

 原告のハンナはキリスト教政党の熱心な支持者で、当初から抑え切れない感情を爆発させていた。一方、被告であるサラーメはパレスチナ難民。彼も表には表さないものの、青白い炎を内に秘めていた。二人はモザイク国家である同国に横たわる歴史的、民族的、宗教的に抜き差しならない背景を象徴しており、一見、静穏な日常も一枚めくればマグマが煮えたぎり、一定の条件下で、いつでも発火し得る危険性を示す。

 

 裁判は控訴審へと進むが、二人の思いとは裏腹に、民族の瘡蓋を引っ剥がすような展開に抗するすべなく、その流れは内臓をも抉り取る激流となっていく。果たして彼らはこの裁判で何を願い、何を得るのか。平穏な日常は戻ってくるのか。そして民族和解の道はあるのか…?

 

 ハンナの思いは、ただサラーメから心からの謝罪が欲しかったのだという。だが、そのチャンスをみすみす葬ったのはハンナ自身の暴言であって、自ら招いた厄災といえた。

 

「 口にはいるものは人を汚すことはない。かえって、口から出るものが人を汚すのである」(マタイ伝15章11節)

 イエスの言葉であるが、言葉の暴力は実際の暴力以上に人を傷つけ、時に死に至らしめる怨念の塊となるということを肝に銘じ、「自制心」を働かせるべきだ。口は禍のもと。子供じゃないんだから。いわゆるヘイトスピーチに関して、当方もその最たるものと断じざるを得ないが、ただ安倍首相に対しては、さらに過激な表現も逆に奨励されるというダブルスタンダードには我慢ならない。

 

 ハンナに与う。

「だから、何事でも人々からしてほしいと思うことは、人々にもその通りにせよ」(マタイ伝7章12節)

 

 さて、本作のパンフレットには「圧倒的な驚きと感動! 前代未聞の法廷劇に絶賛の声!!」と謳われ、鑑賞した識者の声がずらりと並ぶ。久米宏、茂木健一郎、木村草太、長野智子、森達也、住田裕子、荻上チキ…。ま、好きそうな映画だよなと思う。もっとも、北村晴男やフィフィの名前もあるので一概に偏っているとは言えまいが。

 

 ただ同国に限らず、中東和平問題についてはユダヤ、キリスト、イスラムの三大兄弟宗教がもともと、同じ神を信奉しているという原点に立ち返らなければならない。いやもっと言えば、すべての宗教は同じ根を持つという、万教同根思想に自分の信念をかなぐり捨てても、辿り着かなければならないのではないか。以下は、万民が自分の立場に置き換えて、拳拳服膺すべき言葉だろう。

 

 「アラブ人に対してどんな態度を取るかが、民族としての私たちの道徳水準が試される本当の試金石になります」(アルバート・アインシュタイン)


阿比留瑠比著「だから安倍晋三政権は強い」(産経新聞出版)を読む

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 9月20日投開票の自民党総裁選において、安倍首相が石破氏に圧勝(ではないか)して、3選を決めた。向こう3年間の信任を与えられた安倍首相だが、その果たすべき使命の重さからすれば、とても十分な時間とは言えまい。拉致問題、北方領土問題、中国の軍事的プレッシャー問題、少子高齢化問題、社会保障制度改革問題、地方創生、デフレ脱却etc.…。わけても自民党の悲願でもある憲法改正である。昨年の5月3日、憲法記念日に、安倍首相は2項を残したまま、自衛隊を明記する9条改憲案をぶち上げた。いよいよ70年以上も塩漬けされたGHQ製憲法に風穴が開くのか。否、開けてもらわなければ困るのだ。これができるのは安倍首相しかいない。

 

 安倍首相は、第二次政権発足以降、国政選挙5連勝。来夏には参議院選がセットされ、自民党への逆風も予想されるが、これは政権選択選挙ではない。よほどのヘタを打たない限りは乗り切れよう。このまま行けば、安倍首相は、来年8月23日には、佐藤栄作の在職日数を超えて、戦後最長記録をマークする。さらには同年11月20日には桂太郎を抜いて憲政史上最長記録を更新する。第一次政権時の危うい政権運営や、悲痛な辞任会見を想起すれば、あの坊ちゃん首相が再登板して、ここまで大化けするとは、さすがの阿比留氏さえ想像できなかっただろう。

 

 考えてみれば、安倍氏は、祖父が岸信介元首相、父が安倍晋太郎元外相というその毛並みの良さこそ誇れるにせよ、並み居る東大法学部卒を尻目に、ご自分は見劣りする私大出身。なお小泉元首相に取り立てられ、党の要職としては若くして幹事長を務めたが、大臣経験は一度もない。第一次政権で辛酸を嘗め尽くし、雌伏の時を過ごしたからこそなのかもしれないが、第二次政権以降、アベノミクスや地球儀俯瞰外交など伝統的な概念にとらわれない天才的な発想で、わが国を国際舞台で再浮上あらしめた実績は高く評価されよう。

 

 さて、本書を一言で言い表せば、「安倍批判はそれだけか!」ということだろうか。そしてやり玉に上げられるのは、最弱野党と偏向マスコミだ。本書で取り上げられている象徴的な事例を各々一つあげるとすれば、昨年9月、北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを受けて、日本共産党の小池晃書記局長の弁。「日本も核を持たないし、使わないから北朝鮮も放棄しろと迫ることが一番説得力を持つ」。こんな党の票に恋々とせざるを得ない野党の立場がすべてを物語るというもの。同じく鳩山由紀夫元首相の弁。「緊張感を煽り、敵愾心を燃やすより、国民に平和を与えることだ。ミサイルが飛んで来ない環境を作ることだ」…だって。鳩山氏が例え1年足らずにせよわが国の舵取りを担ったことを今更ながら空恐ろしく思わずにはいられない。このような言説には元統幕議長の竹田五郎氏の「力なき正義は無効である」(9月30日付 世界日報ビューポイント蘭)の一言で十分だろう。

 

 そしてアンチ安倍メディアの急先鋒、朝日新聞が昨年暮れ、「徹底検証『森友・加計事件』ー朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(月刊Hanada双書)の著者である文芸評論家の小川榮太郎氏らを相手取って損害賠償訴訟を起こしたが、小川氏らに送られてきた訴状には、「原告(朝日)は上記両問題(森友・加計問題)について安倍晋三首相が関与したとは報じていない」とあった…。処置なしというか、もはや論ずるに値しない。阿比留氏はその朝日について、「『こうなってはいけない』という姿を指し示す並外れて優秀な反面教師」だと評してみせる。

 

 ポスト安倍を考えてみるに、これだけ「緩み」や「驕り」という攻撃材料を与えても肝心の自身の支持率アップには微塵も繋げられない不甲斐ない野党はもとより、今回総裁選を争った石破氏、そして安倍さんが禅譲を目論むとされる岸田氏にしても心もとないことこの上ない。阿比留氏いわく、「安倍首相以外の誰がトランプ米大統領の指南役を務め、ロシアのプーチン大統領と友情を育み、中国の習近平国家主席や北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と対峙できるだろうか」。もっともだと頷かざるを得ないのだが、その後はどうすんねん?阿比留さんにもっとも聞いたところだ。 

第181回世日クラブ講演会ご案内

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  テーマ

    「安倍改憲の行方を占う~

           冷戦思考からの脱却が急務」

 

(講師:高橋利行氏)

 

 世日クラブの第181回定期講演会を10月16日(火)に開催いたします。今回は、元読売新聞論説委員で、政治評論家の高橋利行氏を講師に招き、「安倍改憲の行方を占う~冷戦思考からの脱却が急務」と題して語っていただきます。

 

 安倍晋三総裁(首相)が3選し、いよいよ憲法改正という改革の本丸に挑むことになりました。秋の臨時国会に党改憲案を提出し本格的な第一歩を踏み出す決意を繰り返し表明する安倍首相ですが、その前途は決して容易ではありません。障害となるのは何か、どう克服するのか、改憲実現の行方を占っていただきます。また、首相が訴えた「戦後レジーム(体制)からの脱却」に必要な冷戦思考からの脱却とは何なのか。分かりやすく解説してもらいます。

 

<講師プロフィール>

 たかはし・としゆき 

1943年、東京生まれ。中央大学法学部卒業後、読売新聞社に入社。1995年から世論調査部長、解説部長、論説委員、編集局次長を歴任。2001年、新聞監査委員長。2003年に読売新聞社を退社し、政治評論家として独立。2010年から早稲田大学教育・総合科学学術院客員研究員。2015年より拓殖大学大学院客員教授を務め現在に至る。著書に『永田町の愛すべき‐「派閥政治」-の暗闘と崩壊』(PHP研究所)等多数。
 

【演題】「安倍改憲の行方を占う~冷戦思考からの脱却が急務」
【講師】高橋利行氏(政治評論家、拓殖大学大学院客員教授)
【日時】平成30年10月16日(火)18:00受付開始、18:30開演
【会場】〒112‐0003 東京都文京区春日1-16-21 文京シビックセンター26階スカイホール
【会場に関する問い合わせ】03-5803-1100(財)文京アカデミー施設管理係
【交通案内】東京メトロ丸の内線、南北線の後楽園駅徒歩3分、都営地下鉄三田線、大江戸線の春日駅徒歩3分、JR中央・総武線の水道橋駅徒歩10分
【参加費】2千円(会員無料)

【主催/後援】世日クラブ/世界日報社、言論人フォーラム

【連絡先】世日クラブ事務局・柏木、電話047(314)5761、FAX047(314)5762、HPはhttp://senichi-club.net

映画「散り椿」を観る

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 かつて扇野藩(架空の藩)藩士だった瓜生新兵衛(岡田准一)は、お上の不正を訴え出たが認められず、藩を追われ、妻篠(麻生久美子)とともに京へと逃れた。京では刺客が送り込まれたが、藩の剣術道場で四天王に数えられ、”鬼の新兵衛”の異名をとったこの男は、それをことごとく退けてきた。藩を去ったあの日から8年の歳月が過ぎ、新兵衛は再び扇野の地へと舞い戻った。それには篠が生前、新兵衛に託した願いがあった。重い病に伏していた篠は、もう一度、故郷の美しい散り椿が見たいという思いとともに、藩の側用人を務める榊原采女ーうねめー(西島秀俊)を助けてほしいと言うのだった。榊原采女は、新兵衛の竹馬の友であり、四天王の一人でもあったが、一方で篠をめぐる新兵衛の恋敵でもあったのだ。

 

 実は新兵衛が訴え出たのは、藩の御用商人田中屋と采女の養父である勘定方頭取・榊原平蔵との不適切な関係であり、後に平蔵は何者かに斬り殺され、その嫌疑は新兵衛に掛けられた。扇野藩では、若き藩主千賀谷政家が参勤の留守中に、城代家老である石田玄藩ーげんばー(奥田瑛二)が権勢を恣にして私腹を肥やし、采女と対立。そして玄藩は平蔵殺しの嫌疑を采女へと向ける。そんな中、国許に戻った政家が巻き狩りの最中に何者かに銃撃され、護衛にあたっていた篠原三右衛門(緒形直人)が落命してしまう。三右衛門も四天王の一人であり、死ぬ間際に、自らの平蔵殺しを告白した。

 

 やがて玄藩は采女に対する上意討ちを命じる。果たして采女の運命は? 新兵衛の運命は? そして篠をめぐる二人の思いは決着するのか?

 

 美しい時代劇を撮りたいとして、木村大作監督が手掛けた本作。主役に抜擢したのは岡田准一。岡田の鍛え上げた肉体と抜群の身のこなしは瞠目に値する。憂いを湛えた雰囲気もいい。彼はジャニーズのミスターストイックか。ダテに主演男優賞(「永遠の0」)取ってない。ただ欲を言えば、あと5センチ上背があればなと。天は二物を与えずか。いやいやそれに目をつぶってもイイ男だよ。岡田は読売新聞の週刊エンタメ欄で、「アイドルをしている限り、俳優の人が『あいつ頑張ってるな』って思うほど、人の100倍頑張らないと、認めてもらえない」と述べている。義士の生き様を体現する岡田准一の男の魅力をたっぷりと堪能した。

第181回世日クラブ講演会が開催されました

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世日クラブ 各党が改憲案出し議論を

   政治評論家 髙橋利行氏が講演

 

 世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良〈ゆずる〉・近藤プランニングス代表取締役)の定期講演会が16日、都内で開かれ、政治評論家で拓殖大学大学院客員教授の髙橋利行氏が「安倍改憲の行方を占う~冷戦思考からの脱却が急務~」と題して講演した。

 

 髙橋氏は、先月の自民党総裁選で安倍晋三首相が3選したことについて触れ、「憲法改正をしなくてはならないことが喫緊の課題となっていないことが問題だ」と指摘。改憲を急いでわが国の安全保障態勢を整えるべきだと強調した。

 

 また、改憲案について「自公の事前協議はしない方がいい。各党が別々に案を出して国民の見ている前で議論するのはどうか」と提案。その上で「安倍首相の手で発議をし、国民投票にかけるのが望ましい」と語った。

 

 さらに、髙橋氏は、「安倍さんはトランプ大統領の懐に飛び込んだ。米国をしっかりつかんでいくことがわが国の安全保障に重要だ」と指摘するとともに、「自分の手で国を守れるよう憲法改正を実現し、その上で国際貢献をさらに果たしていくべきだ」と訴えた。 また、自民党が米ソ冷戦時代に保守合同で結成された経緯を説明し、「今の情勢も米中冷戦の厳しい状況にある」とし、危機対応が本質の自民党らしい政策を実行すべきであると強調した。

 

 講演に先立ちあいさつした世日クラブの近藤会長は「全員野球内閣と称して第4次安倍改造内閣が発足した。憲法改正、米国との貿易、北朝鮮による拉致問題、北方領土や消費税増税など課題が多いが、一つずつ進めていってもらいたい」と語った。

(世界日報10月17日付1面より)

 

月刊ビューポイント2018年11月号発行しました

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月刊ビューポイント11月号の内容は以下のとおり

 

◇PHOTO GALLERY

  ギリシャ・アテネ アクロポリス、アゴラを散歩する

◇平壌共同宣言の波紋(ソウル・上田勇実

  ・「終戦宣言」なら親北派が米軍批判

  ・見切り発車の経済協力―サムソンにも投資圧力か

  ・白頭山で北主導の統一話―文氏、演説で北政策称賛

◇国益ネット放送局 パトリオットTV

  ゲスト:筆坂秀世(元日本共産党書記局長代行)

   「共産党に本当の選挙はない

◇フィンランド100年の児童支援

  「ネウボラ」の現場(ヘルシンキ・吉住哲男

  ・妊娠から就学前まで、担当保健師が支援

   ―医療・育児 家族同様の把握、虐待死件数 年間1件未満

  ・子供と親が抱える悩みに対処

   ―ファミリー・ネウボラ

◇NEWSクローズ・アップ

  ・日朝接触、昨年から北京で

   北は日本の条件見極めか/影落とす米朝優先

                   (編集委員・上田勇実

  ・台湾との関係強化に動く

   中国の露骨な圧力に対抗/戦闘機の売却も検討か

                    (編集委員・早川俊行

◇ワシントン・タイムズ特約

  ・「一帯一路」逆風の兆し

    アジア各国反発/経済負担懸念 見直し検討も

  ・ロシア 武器売却で米同盟関係にくさび

    迎撃ミサイルS400の輸出 精力的に進める

◇高永喆の半島NOW

  危険水域に向かう韓国の安保

      (拓殖大学主任研究員・韓国統一振興院専任教授)

◇インタビューFOCUS

  海自潜水艦訓練の戦略的意味 南シナ海の独占許さず

   ―川村純彦(元統合幕僚学校副校長・海将補)

◇防衛レーダー

  自衛官不足解消への課題(濱口和久

◇ワシントン発 ビル・ガーツの眼

  ・ミサイルの宇宙配備検討―米国防総省

  ・米政権、新START延長拒否か

◇アメリカ保守論壇 米コラムニスト マーク・ティーセン

  ・器問われるトランプ大統領

   マケイン氏攻撃に終始/経済好調も支持率は低迷

  ・混乱のトランプ政権、外交で実績

   米国への信頼を回復/孤立主義の道選ばず

◇ワールド・スコープ

  ・北朝鮮で建国70年行事

    後ろ盾に中露「核強国」主張(ソウル・上田勇実

  ・サウジアラビアで行き詰まる皇太子の構造改革

    アラムコ上場中止の影響大(外報部・本田隆文

  ・ブラジル国立博物館火災、収蔵品の9割以上焼失

    予算削減の政府に批判噴出(サンパウロ・綾村悟

◇WHO'S WHOひと 難題挑み芸の土台固め  

       古今亭志ん吉さん(落語家)

◇沖縄から

  ・沖縄統一選、保守系が微増/翁長雄志氏死去の影響なし

  ・沖縄科学技術大学院大学が採繊工程を解明

         /芭蕉布に優れた科学的根拠(那覇・豊田剛

◇インタビュー

  ・ウイグル人抹殺を謀る中国/強制収容300万人に「政治学習」

     アフメットジャン・オスマン(在外ウイグル人組織「東トルキスタン共和国亡命政府」大統領) 聞き手=石井孝秀

  ・産業革命の本質/人類史的メガトレンド

     佐藤義信(元道都大学教授) 聞き手=湯浅肇

  ・朝鮮通信使と雨森芳洲/江戸時代の「誠信の交わり」

     上垣外憲一(大妻女子大学比較文学部教授) 聞き手=多田則明

◇講演

  ポジティブ心理学と人類の持続的繁栄/人生を豊かにする”前向き”思考

     マーティン・セリグマン(米ペンシルベニア大教授) 

◇救国救世ビジョン―家庭再建講座14

   第三章 日本型家族政策の必要性

    3.バランスの取れた「子供の貧困」対策を

◇文化

  武蔵野と国木田独歩

    自然発見は西洋文学の影響(羽田幸男

◇内村鑑三を読む

  「日清戦争の義」(2)

   預言者は恥辱でうなだれた(増子耕一

◇山田寛の国際レーダー

  ・フェイク退治を名分に 世界で報道の自由抑圧が進む

  ・道義的責任を忘れまい 北朝鮮報道史の二つの汚点

◇教育

  ・北海道北広島市で読書活動活性化フォーラム

    再認識される学校図書館の重要性(札幌支局・湯朝肇

  ・金沢ふるさと偉人館で企画展開催

     人間教育に心尽くした北条時敬(日下一彦

 

その他、論壇時評/メディアウオッチ/ビューポイント/社説 など

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