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第23回「記者を囲む会」講演要旨

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「日本再生なるか―安倍新政権の使命と課題」
        講師:早川一郎氏(世界日報社政治部長) 1月26日(土)開催

<アルジェリアの人質事件と国家>
 今一番ホットなイシューとして、「自衛隊法」の改正問題がある。今回のようなテロが世界中でいつ起きるかわからないという環境の下で、今現在たくさんの日本人が働いている。実際テロが起きた場合、何ができるのか?いくらテロ対策のプロフェッショナルで、警備にも万全を期すといったところで、一民間企業では限界がある。国としてどういうことができるかということになる。

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 今の自衛隊法は通用しなくなっている。今回のテロ事件の現場イナメナスは、砂漠地帯であり、陸路で入っていけない。仮に入っていけたとしても、武器使用基準がある。さまざまな状況をしっかり分析し、現自衛隊法を現実にあった内容にすべく法整備していくことが急がれる。

 安倍首相…美しい国、新しい国をつくるという。表面的なことだけでなく、内面の世界もそうあらしめねばならない。今年1年のテーマをひとことで表せば、「国」だろう。

<主な新聞の今年の元旦社説(見出し)を見比べてみる>
読売…「政治の安定で国力を取り戻せ」
朝日…「『日本を考える』を考える」※
毎日…「2013年を展望する」
日経…「国力を高める」
産経…「長期安定政権で国難打破を」
世界日報…トップに中国問題の座談会。年頭にあたって(社説)…やはり国がテーマ

※朝日新聞…特異な立場。「国を主語にして答えが見つかるものなのか」と投げかけている。要するに国家を相対化して考えるべきだというわけだ。結論として、「国家以外にプレーヤーが必要な時代に、国に拘るナショナリズムを盛り上げても答えは出せまい。国家としての日本を相対化する視点を欠いたままでは、日本という社会の未来は見えてこない」と言っている。同紙1/5付社説では、「私たちを政治の主語に」というタイトル。これが本音なのだ。
 
 共産主義の狙いの本質は、レーニンの「国家と革命」にもあるように、国家の解体あるいは、国家の消滅である。朝日の論調は、これを彷彿とさせる。

 菅元首相は所信表明で「自分の政治の原点は、松下圭一氏にある」と言った。松下圭一氏…いわゆる構造改革派。シロアリ論。朝日の論調はこれとシンクロするようにも見える。

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<日本再生のためのポイント>
①教育再生
 経済再生はまず第一。豊かとなり次のステップへ。「国づくり」のためには、まず「人づくり」すなわち教育再生が必要になってくる。先般官邸に「教育再生実行会議」を設置した。

 先日大阪市桜宮高校で、顧問の教師の体罰が原因とされるバスケットボール部主将の自殺事件が起き、いろんな展開をみせている。しかしそもそも「教育」とは何ぞやという原点に帰ってみたい。当事者のバスケット部顧問いわく「どうしても部を強くしたかった。」「勝たせるためにやった。」「全国大会で優勝したかった。」
 
 よしんばその結果そのごとく部が強くなり全国大会で優勝したとする。それはそれでいいことだが、しかしその結果なるものは、改正教育基本法に照らして、教育の目標の達成といえるのか?改正教育基本法の教育の目的のメーンは、郷土を愛し、国を愛する態度を養うということ。これに適っているかが問題なのだ。これを基準としてみれば、先の結果は、到底教育目標の達成とは言えず、ずれている。

 教育を預かる現場の教師にしてからが、退職金の減額が施行される前に現場をほっぽり出して、われ先に退職願いを出す事態が起きている。現場に混乱をもたらした行政のやり方もまずいし、先生の気持ちはわからないでもないが、何より生徒を中心に物事を考え、本気で国を愛する人間をつくるべく資力を尽してきた教師生活だったのか疑問だ。これは教育現場の危機だといえる。また教師の不登校という問題がある、その数は全国で5千数百名だという。

昨年から武道が中学の必修科目になった。
 こういう事実がある。かつて明治の帝国議会で、柔道、剣道を中学の正式の科目とする建議案が成立した。日露戦争での203高地の視察に議員が行ってわかったのは、そこで活躍していた多くの兵隊が、柔道や剣道などの武道の心得のある者だったということだった。これを踏まえて、やはり武道を学校の中で、正式な科目として教えるべきだとなった。「体育に関する委員会」で建議案をつくり、国会に提出されたが、一回は否決された。1年かけて再度説得をし、漸く成立した。

 まだ施行されて1年しか経ってないこともあり、成果としての数値が上がってきたものはまだないと文科大臣はいう。しかし学校の勉強だけでは育成できない幅広い効果があるだろうとも回答。剣道の目的は、あくまでも「人づくり」だ。必ずしも面、小手、胴がきっちり揃わなくてもいい。剣道の袴の後ろの襞は「忠孝一如」であり、前の5つの襞は儒教で言う5常の「仁・義・礼・智・信」。そのような稽古着をまとった人格体と人格体がお互いに礼から始まり礼で終わる。そういう徳目の教育という意味だけでも効果はあるのではないか。


②外交・安保
 なんでもかんでも自国さえよければいいというものではいけない。いかに世界平和の秩序を構築していくか。アジアのため、世界のためという関係を築き上げていけるかが、目的でなければならない。日本の歴史と文化を守りながら、国益をも追求していく。
 
 そうはいっても、日本の周辺国に目を遣れば、中国にしろ、北朝鮮にしろ、それぞれの国が、それぞれの考え方で、それぞれの国益を主張している。自分の国さえ正しいことを主張しておれば、他国も理解してくれるだろうというわけにはいかない。そこをどううまくやっていくかが問われてくる。

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<憲法改正>
 現憲法は、独立国の体をなしていない。9条によって自国を自分で守りきれないという状況。

<政治情勢とその分析>
 安倍氏の国会運営戦略は、全て7月の参議院選挙の後となる。そこまでは危ない橋は渡らない。それまでは「経済再生」を連呼。まず景気を良くして、国民に高揚感を与え続けて、参議院選挙を乗り切る。そこではじめて安倍カラーが出せるという考え。

 自民党は今回の総選挙で119→294議席を獲得。公明党も31議席獲得。合計で与党が325議席。衆議院の総議席が480。その2/3が320。衆議院で法案が可決し、参議院で仮に否決されても、もう一回衆議院に戻して、2/3で再可決できる。基本的には、磐石な体制だ。ただ第一次安倍政権において、強引な政権運営により、結果的に参議院選挙で大敗を喫し、その後退陣を余儀なくされたという苦い思い出がある。だから今回は無理しない。

 現在自公で過半数という立場だが、本音をいえば、自民単独で過半数が欲しい。参議院は242議席。その過半数は122。それがあれば、衆参でフリーハンドを得る。それは確かにベストだが、非改選が自民49、公明9。過半数を取るには、122-49=73。73議席獲得は大変なこと。選挙区だけで73ある。自民としてはなんとか55以上を獲って、公明とあわせて64。これが狙いか。


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