内戦が続くアフリカのコンゴ民主共和国の東部で、レイプ被害の女性が絶えず、1998年以降20万人に上るという。同国の東部ブカブで産婦人科のパンジー病院を営む医師ムクウェゲ氏のもとには、年間3000人の被害者が訪れる。ムクウェゲ氏によれば、コンゴ東部は豊富な天然資源を巡り40以上の武装勢力が割拠し、彼らは地域住民らを恐怖で支配するための武器として、レイプを用いるのだそうだ。そしてムクウェゲ氏は世にも恐ろしい事件を語っている。以前ムクウェゲ氏を訪れた患者のことであるが、彼女は14歳の時、武装集団に家族全員を殺害されたうえ、監禁、レイプされ、逃げ出した時には妊娠6ヶ月だったという。この女性は6ヵ月後に女児を連れて退院したが、6年後、2人は再び病院に担ぎ込まれた。2人とも別の男らに集団レイプされ、エイズウイルス(HIV)に感染していたという。
しかしいったい人間はどこまで悪に堕ちることができるのだろうか。これでは禽獣とかわりない。むしろ人間として生まれなかったほうが良かったとさえいえる。レイプはいかなる理由付けがされても絶対に正当化されない。くだんの武装勢力には、“良心”作用が機能不全状態にあるのだろう。人間のみが善悪の判断を自らの自由意志で選びとることのできる存在であるが、悪を選び取った結果はいずれ必ず自らが負うのである。自らを自ら呪う日がくる。
それはともかく、ムクウェゲ氏は、被害の根絶には「治療だけでは不十分。武装勢力掃討に向け、国際社会の関心と支援が必要だ」と訴えている。むろんこれはNPOなどだけで対応しきれる問題ではないので、軽々しい口をたたくわけにはいかないが、日本政府はむろんのこと、各国が協力してなんとかして欲しいものである。
さて、同日付けの読売新聞政治面に「政治の現場」シリーズ“冷え切る日韓”があるが、そこには1990年に結成され、ソウルの日本大使館前で慰安婦問題を抗議する「水曜デモ」を毎週行ったり、同じくソウル日本大使館前に慰安婦を象徴する少女像を立てた「挺対協」(韓国挺身隊問題対策協議会)を取り上げている。
西岡力氏(東京基督教大学教授)によれば、「挺対協」は東京や北京などの国際会議で「朝対委」(朝鮮日本軍慰安婦および強制連行被害者補償対策委員会 朝鮮労働党の工作機関の一つ)との連携を強め、2000年の東京で開かれた「女性国際戦犯法廷」では昭和天皇らに対する「起訴状」を南北共同で作成し、2002年5月朝対委が開いた平壌での国際会議に挺対協代表が参加した。そして現在の挺対協の常任代表である尹美香の夫とその妹は93年、スパイ事件に関与したとして摘発され有罪判決を受けた。
http://tnishioka.iza.ne.jp/blog/entry/2739123/
挺対協の日本政府に対する慰安婦問題解決のための要求は、①戦争犯罪と認める②真相究明③公式謝罪④法的賠償⑤戦犯の処罰⑥歴史教科書への掲載⑦追慕碑と史料館の建設だそうだ。これらは河野談話を唯一の根拠としているのだろうが、当然ながら日本政府は一蹴している。読売の記事によれば、韓国政府はこの挺対協などの反日市民団体の影響を強く受けているという。
人権の「じ」の字さえ認められず、国民を飢えと貧困のどん底に突き落としてなお、先軍政治の名の下にひたすら核開発に狂奔する北朝鮮金王朝と仲良く共同歩調をとる挺対協は、北朝鮮一般国民のことは言うに及ばず、今現在この時間にも繰り広げられているコンゴにおける武装したレイプ魔集団が闊歩する陰惨極まりない修羅場と化した状況に対して、意識と関心と人材や資金援助など、日本政府に対するそれの万分の一でも億分の一でもいいから振り向けて欲しいと切望するのみだが、どだい無理か。せめて憐憫の気持ちくらい示せよ!
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読売11月26日国際面「レイプ根絶コンゴ支援を」の記事を読んで思うこと
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